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  トラック運送開業の準備をしよう
 
  トラック運送開業は、様々な要件を満たさなければなりません。中には時間のかかるものもあります。
 「いつか独立したい」と抽象的に考えている方でも、できるだけ早く準備にとりかかっておいた方がよいです。
 以下、許可取得のための要件を挙げます。
 
 
  許可を取得するための3つの要件 
 要件は、大きくわけると以下の3つです。@人に関する要件
 A施設に関する要件
 B資金に関する要件
 
 
  @人に関する要件 
  まず、以下の人達がいなければなりません。そのうちの運行管理者と整備管理者は資格が必要です。
 ご自分が要件を満たしているか、又は知り合いにそのような方がいらっしゃるか確認しておきましょう。
 なお、許可の申請時に必ずしもいなくてもよいです。ただ、選任予定・確保予定であることが必要です。
 また、運行管理者と整備管理者は同一営業所であれば兼任ができます。
 
 運行管理者(29台以下は1名)
 
 ☆まず、運行管理資格者を事業開始までに確保できることが必要です。
 
 →この資格者といえるためには、運行管理試験に合格し「資格者証のあること」が必要です。
 ※試験は国家試験であり毎年8月と3月に行われ、申し込み期間は4月と11月頃です。合格率は50%。
 試験の詳細は(財)運行管理者試験センターへ
 
 ☆そして、この資格者が「常勤の社員」であることが必要です。
 
 整備管理者(1名)
 
 ☆3級以上の整備士資格を有することが必要です。
 
 ※特に試験を受けなくても、実務経験があれば大丈夫です。ただし、実務経験資格の場合は、認証のある工場での2年以上整備の実務経験があるか、又は、自動車運送事業者の整備管理者又は補助者として車両の管理業務について2年以上の実務経験があることが必要です。
 
 ☆整備管理者となる人は、整備管理者選任前講習を終了していることが必要です。
 
 運転者(最低5名以上)
 
 ☆運転者数は計画する車両数に見合うことが必要です。
 つまり、15台で運送業を営む予定であれば、15人の運転手が必要になります。
 
 ☆契約社員などの場合は、2ヶ月以上の契約があることが必要です。
 
 ☆欠格事由 次のいずれかに該当する者は許可を受けることができません。ご注意下さい。
 
 
              
                
                  | 1 | 一年以上の懲役又は禁固の刑に処せられ、その執行をおわり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者 |  
                  | 2 | 一般貨物運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取り消しを受け、その取り消しの日から二年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取り消しに係わる聴聞の通知が到達した日前60日以内にその法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む)であった者で当該取り消しの日から2年を経過しないものを含む) |  
                  | 3 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人であって、その法定代理人が前2号のいずれかに該当する者 |  
                  | 4 | 法人であって、その役員のうちに前3号のいずれかに該当するものがいる場合 |  
                  | 5 | 法人の業務を執行する役員が、貨物自動車運送事業法または道路運送法の違反により申請日前3ヶ月間(悪質な違反については6ヶ月間)又は申請日以降に、自動車その他の輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者ではないことその他法令遵守状況に著しい問題があると認められる者でないこと |  
 
  A施設に関する要件
 
 施設として、適切な営業所、休憩・睡眠場所、車庫がなければなりません。不動産会社との契約時や建築会社との契約時に、このページをもう一度確認しておきましょう。
 また、運送用のトラックも適切なものでなければなりません。
 トラック購入の際に、このページをもう一度ご確認下さい。
 
 営業所
 
 ☆使用権限を有することが必要です。当たり前ですが、勝手に誰かの家で営業してはいけません。
 必要な書類のところでも述べますが、自己所有の場合は登記簿謄本、借り入れの場合賃貸契約書又は使用承諾書が必要となります(使用目的が運送業事務所として使 用可である旨の記載が必要です)
 
 ☆都市計画法、建築基準法、農地法に抵触しないこと
 「市街化調整区域」場合は基本的に不許可。事前に調査する必要があります。
 市街化調整区域内住居でも、築20年経過すれば用途は第2種低層住居区域と同じになります。
 また、市街化区域でも用途地域によっては事務所として建築基準法に抵触する場合があるのでご注意下さい。
 
 ☆適切な広さ、規模であること
 自宅であっても、この要件を満たせば大丈夫です。
 
 休憩、睡眠施設
 
 ☆営業所と同様、使用権限を有することが必要です。
 
 ☆睡眠を与える場合、乗務員一人当たり2.5u以上の睡眠施設が必要です。長距離トラックの運転手さんに仮眠をとらせてあげるスペースを用意しましょう。
 
 ☆原則として営業所または車庫に併設であることが必要です。
 
 車庫
 
 ☆営業所から10キロ以内の場所に車庫がないといけません。ただし、東京都区内、横浜市、川崎市は場所の確保が難しいでしょうから20キロ以内で大丈夫です。
 
 ☆農地法、都市計画法などに抵触しないこと。農地に指定されているところに車庫を建ててはいけません。
 
 ☆使用する車両の幅が、出入り口の前面道路の幅にたいして原則として車両制限令に違反しないことが必要です。一般市街地で歩道がない場合、車庫前の道路の総幅は幅員証明により(車幅×2倍+1、5m)以上でなければなりません。 (1台分の広さの目安です。参考にして下さい。2tまで…15u/2tロング…20u/7、5tまで…28u/7、5t以上…38u)
 道路の幅員と通行できる車両の幅一覧表が必要になります。
 ただし、前面道路が国道の場合、幅員証明は不要です。
 
 ☆車庫の付近が交通安全上支障がないことが必要です。交差点、バス停、保育園学校などの状況等によって判断されます。
 
 車両
 
 ☆大きさ、構造が輸送する貨物に適切であることが必要です。小さいトラックで大きな材木を運んではいけません。
 
 ☆車両は、営業所毎に5台以上置かなければなりません。
 ※人のあまりいない離島等では、1台以上で充分です。零きゅう、一般廃棄物も1台以上で大丈夫です。
 
 ☆自動車N0X法などで一年以上使用できること
 
 ☆新車、中古車、リース車いずれも申請時点では見積り書の提出でOKです。
 
 ☆使用権限を有することの裏づけがあることが必要です。
 
 
 
  資金に関する要件 
 資金に関しても要件があります。「自己資金」がかなり必要です。銀行からの借り入れだけに頼ることができません。
 ご自分の貯金を使うか、お知り合いの方に融資してもらうことが必要になるかも知れません。
 ここが一番大変かもしれません。以下の要件を覚えておいてください。最低でも500〜1000万は必要になるはずです。
 
 自己資金が次に掲げるものの合算の2分の1に相当する金額以上であること
 
 ア.車両費  取得価格   リースの場合は一年分
 イ.建築費  取得価格   賃貸の場合は一年分
 ウ.土地費  取得価格   賃貸の場合は一年分
 エ.保険料 強制賠償保険料の一ヵ年分
 任意保険の一ヵ年分
 オ.各種税 重量税、自動車税、登録免許税、消費税の一ヵ年分
 カ.運転資金 人件費、燃料費、油脂費、車両修理費、などの二ヶ月分
 
 ☆資金の証明
 ・新設法人の場合は資本金額
 ・既存法人の場合は貸借対照表に基づき不足する場合は増資する旨の議事録とその出資にかかわる引受書
 ・個人申請の場合は残高証明書など
 
 
  その他 
 ☆運送会社を新たに作る場合、定款の目的のところに「貨物自動車運送事業」と記載しなければなりません。会社が運送部門を立ち上げる場合にも同様です(定款変更が必要となるかも知れません)
 
 ☆許可後一年以内に事業の開始届をしない場合失効になります。
 申請書を出せばそれで終わりではないのでご注意下さい。
 
 ☆登録免許税が120,000円かかります。(行政書士に頼んだ場合には、それ以外に報酬がかかります。)
 
 
 
 
 
  必要な書類 
 
 
 
 
 
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